ひと口に「口臭」と言ってもその原因はさまざま。これらの原因をもとに口臭を分類するなら、大きく以下4つのカテゴリーにわけられます。
1. 生理的な原因による「生理的口臭」 2. 病気が原因による「病的口臭」 3. 食べ物・飲酒・喫煙などによる「外的口臭」 4. 精神不安・ストレスなどによる「心理的口臭」 |
口臭は気づかないうちに、社会生活を営む上で重要な役割を果たしています。実際、嫌な口臭のせいで人間関係がうまくいかなくなることもあれば、逆に爽やかな口臭のおかげで好感度がアップすることもあるのです。
口臭でお悩みの方はぜひこのサイトをご参照いただき、以下2点を実践してみてください。
❶自分の口臭の原因を突き止める。
❷それぞれの口臭の原因にマッチした対策を行う。
そうすることによって効率的に口臭を改善・消臭。円滑な人間関係を築いて、楽しい日々をお過ごしいただけますと幸いです。
【種類別、口臭の内容】
※まずは以下4つの項目の中から、ご自身の口臭として当てはまるものを選んでください。
1.【生理的口臭】 ▶生理的口臭の詳しい内容はこちら
起床直後に感じる「起床時口臭」、空腹時に起こる「飢餓口臭」、緊張した時の「緊張時口臭」など、人の身体が本能的・生理的に起こす口臭のことを言います。これは唾液が減少することによってお口の中の細菌が増殖し、口臭の原因物質である硫黄化合物(vsc)を大量に発生させるために起こる口臭です。したがって、食事をしたり、水分を積極的に摂取することで唾液の分泌が促され、その量が増加すればこの口臭は急速に弱まります。
また、唾液の分泌を促すには積極的に人と会話をすることもオススメです。このように生理的口臭とは生活習慣に気をつけ、対策をすることで大幅に改善されるものなのです。
この他にも、生理的口臭として「女性の生理・妊娠時」などホルモンバランスの変化に応じて起こる口臭、男女を問わず、「思春期」、「加齢性」、「更年期」など、各年代ごとによって生じる固有の口臭や民族の違いなどによる口臭があげられます。
(生理的口臭の特徴)
1. 病的口臭とは異なり、さほど強い口臭ではない。
2. 周囲の人たちが不快感を感じる目安は相手との距離が30cm以内の場合。このため、よほどの至近距離でない限り、口臭を感じることは少ない。
2. 【病的口臭】 ▶病的口臭の詳しい内容はこちら
何らかの病気が原因で発生する口臭のことを言います。病的口臭の90%以上は口腔内にその原因があるとされ、主な例として「歯周病」、「う蝕(虫歯)」、「歯垢(歯のまわりに付着する細菌の固まり)」、「歯石(歯垢の固まり)」、「舌苔(=ぜったい。舌の表面に付着するコケ状の細菌の固まり)」、「ドライマウス(唾液の減少)」、「義歯や入れ歯の清掃不良」などがあげられます。
また、病的口臭には上記以外にも「鼻や喉・呼吸器系・消化器系」の病気、「糖尿病」、「肝臓病」、「胃炎・胃潰瘍などの胃腸系疾患」など、口腔内以外の病気が原因で発生するものもあります。
3. 【外的口臭】 ▶外的口臭の詳しい内容はこちら
食べ物・飲酒・喫煙など外的な要因によって起こる口臭のことを言います。食べ物では、ニンニクやネギなどが持つ強い臭いが、口腔内の菌によって悪臭を放つ成分に変化することで口臭が発生します。
また、飲酒の場合は体内に摂取したアルコール成分がアルデヒドという悪臭成分に変化。その臭気成分が体内から口腔内に運びあげられることで、口臭として体外に放出されるのです。さらに、喫煙では、タバコに含まれるニコチン成分が唾液の分泌量を減少させることによって、口臭を発生させやすくします。
なお、習慣的に喫煙することによって、口腔内に付着するタールが強い口臭を発生させる恐れもあります。
4. 【心理的口臭】 ▶心理的口臭の詳しい内容はこちら
精神的不安がある場合やストレス、また過去のトラウマなどによって発生する口臭のことを言います。心理的口臭は自らの思い込みによって起こる場合が多く、病院の「口臭外来」などで詳しい検査を受けても何ら反応が出ないことがほとんどです。
ただし、放置しておくと自分は人を不快にさせる臭いを発していると思い込む「自臭症」という病気につながってしまう可能性もあります。ですから「口臭外来」や「精神科」など、病院できちんとした診察や治療を受け、本来はないはずの口臭を感じてしまう原因を取り除いてもらう必要があります。
【原因別、5つの口臭対策】
※上記4項目の中からご自身の口臭を突き止めたら、以下、それぞれの原因に見合った対策を実践しましょう。
【対策その1】 唾液の分泌量を増やすことを心がける。
☆対象となる方 :【生理的口臭】/【心理的口臭】の方など
《1》 分泌される唾液の量が不十分だと口腔内に細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなります。ですから、こまめな水分補給で体内に充分な水分を蓄え、唾液の分泌量をアップしてあげることが、口臭を改善・消すためには実に大切なことなのです。
そもそも水分は口臭を改善し、消すための対策としてだけでなく、人の身体に必要不可欠なもの。ですから、摂取する水の美味しさや成分にこだわってみるのも、楽しみながら日々の健康・口臭対策を続けていく上での「秘訣」の一つと言えるでしょう。
《2》食事をする際は、充分に咀嚼する(食べ物をよく噛むことが唾液の分泌を促進することにつながります)。
《3》ガムや飴を食べることによって唾液の分泌を促すことを心がける。
《4》積極的に人と会話をすることによって口を動かす機会をできるだけ作り、唾液腺を刺激。唾液の分泌を促す。
※【生理的口臭】/【心理的口臭】の予防・対策のためには唾液の分泌を促し、口の中が乾燥しないように心がけることが大切です。
【対策その2】 口腔内を清潔に保つ。
☆対象となる方 :【外的口臭】の方など
《1》何かを食べたらできるだけ早めに歯を磨く。
《2》デンタルフロスで歯垢や歯石を除去する。
《3》マウスウォッシュや舌磨きなどの口臭ケア用グッズを使用する。
※口腔内で雑菌が繁殖するのを防ぐことによって口腔内を清潔に保つことで、口臭の改善・予防対策を心がけましょう。
【対策その3】 歯科医や病院の診断を受け、必要に応じた治療を行う。
☆対象となる方 :【病的口臭】の方など
口臭の改善・予防対策として、定期的に歯科医・病院の「口臭外来」を受診する。具体的には、「歯周病」・「う蝕(虫歯)」・「歯石」の疑いがある方は歯科医。「ドライマウス」の症状がある場合には耳鼻咽喉科・口腔外科。「胃腸系疾患」の可能性がある方は胃腸科や内科をそれぞれ受診し、きちんとした診断を受けてから治療を始めましょう。
正しい受診結果をもとにした対処方法により、効率良く口臭を抑えたり、根本的な治療をすることが可能です。
《効果1》自分ではなかなか取り切ることのできなかった歯垢や歯石を除去してもらうことができ、口腔内をより清潔に保つことができる。
《効果2》「口臭外来」で診察を受けることにより、自分では自覚できていなかった口臭に気づくことができ、口臭を改善・消臭。*スメルハラスメントを未然に防ぐことができる。
*スメルハラスメント(スメハラ)とは……
臭いが原因で、周囲の人々に不快な思いをさせる行為のこと。ハラスメントの一つではあるものの、意図的ではなく、本人も気づかないうちに意図せず周囲を不快にさせている場合も多くある。職場の退職理由としてスメルハラスメントが挙げられるようになるなど、日本においても次第に社会問題となってきている。
【対策その4】 口臭の改善・予防に効果的なお茶や食品を積極的に摂取する。
☆対象となる方 :【生理的口臭】/【病的口臭】/【外的口臭】/【心理的口臭】の方など
《1》緑茶やココアを飲む(緑茶やココアに含まれているポリフェノールは消臭効果を持ち、口腔内の臭気成分と化学反応を起こすことによって、口臭を改善してくれます)。
《2》アルカリ性食品を積極的に摂取する(りんごや緑黄色野菜、梅干しやレモンなどのアルカリ性食品を食べることによって口腔内の雑菌の繁殖を抑制。そうすることで口臭の発生を未然に防ぎます)。
【対策その5】 口臭対策用サプリetc.を利用して口臭の改善・予防を行う。
☆対象となる方 :【病的口臭】/【外的口臭】の方など
《1》会議・商談などの仕事や、合コン・デートを始めとするプライベートなど、TPOに応じて即効性が期待できる商品を選んで口臭対策、口臭の消臭に取り組む。
《2》口臭の改善や消臭への効果が期待できる成分が豊富にふくまれている商品を選んで利用することにより、口臭の臭気成分や原因菌に直接アプローチ。身体の中からじっくりと口臭改善、および口臭を消すための対策を実践する。
※それぞれの口臭の原因に応じた口臭対策を選んで実践することが、口臭の発生しにくい清潔な口腔環境を作ることにつながり、現在の口臭を改善・消臭・予防するための近道になると考えられます。