一日も早くこの口臭を消したい、改善したい!!
そう思っても、何から始めれば良いか迷いますよね?
そもそも口臭とは、口腔内に生息する数多くの微生物が排出するガスと、肺から排出されるガスとが混じり合って呼気として口から吐きだされるものです。
口腔内に生息する数多くの微生物は、外部から口腔内を通過して体内に侵入しようとする病原菌などを防ぐ役割を果たすこともあれば、一方で、食べ物のカスなどをエサにして虫歯や歯周病を引き起こし、その際に口臭の元となるガスを発生させる場合もあるのです。
また、前日にお酒を飲んだり、ニンニクを食べたりした際、翌日になってもそれらがきちんと消化されきっていないと、お酒やニンニクの臭いが呼気とともに口から排出されるため、お酒やニンニク臭い口臭が発生してしまう、などということになるわけです。
さらに口臭には、上記のような一過性の消化不良ではなく、胃腸系を始めとする他の内臓疾患が原因で発生するものもあります。そして、そのような口腔内以外にその発生原因がある口臭は、いくら注意深く、丁寧に歯磨きをしたところで改善されるものではありません。
つまり、口臭が発生するのにさまざまな理由がある以上、その口臭を改善させたり消したりするのにも、それぞれに見合った対処方法があるのです。
ですから、効率的に口臭を改善・消すためにはその大前提として、自分の口臭がどういう種類のものなのかを見極めることがとても大切です。
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まずは、口臭の種類には大きくわけて、以下の4種類があることを知っておきましょう!
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それぞれの口臭の詳しい内容については、こちらのページを参照して、ご自身の口臭をチェックしてみてくださいね。
口臭の改善・消臭はやり方次第!
上記4種類の口臭のうち、1の「生理的口臭」や3の「外的口臭」は、基本的には時間の経過とともに自然に改善・消臭される口臭です。
これに対し、2の「病的口臭」は、胃やその他の内臓疾患などが原因となって発生する口臭であり、4の「心理的口臭」については、何らかの精神不安・ストレスなどが原因で発生する口臭です。
したがって、その口臭の原因となっている病気を突き止めて治癒させたり、ストレスを軽減・消失させる、という根本的な対処を行うことによってのみ、口臭を改善・消臭することができるのです。つまり、この場合、やみくもに歯磨きをしたところで、口臭を改善・消臭することはできないのです。
ただし、2の「病的口臭」の原因が虫歯や歯周病だった場合には、歯科医の専門的な治療を受けながら、正しい方法で歯を磨くことが、口腔内の雑菌や微生物を削減することになり、効果的な口臭の改善・消臭・予防などにもつながります。
このような点から見ても、やはり口臭を効果的に改善・消臭するためには、まずはその口臭の原因を正しく突き止めて判断することが、いかに重要であるかをご理解いただけるかと思います。
口臭を改善・消すために注意すべきこととは?
食後すぐの歯磨きには要注意?!
たとえ今起きている口臭の原因が口腔内のトラブルでなかったとしても、虫歯や歯周病およびそれが原因で発生する口臭を防ぐためにも、毎日の歯磨き習慣が重要であることに変わりはありません。
特に「口臭を防ぐために歯磨きをする」と考えた場合、食べ物を食べてすぐ、つまり食後すぐに歯磨きをするのが最も効果的であると考えている方が多くいらっしゃることでしょう。
でもこれ、実は間違いだと言われているんです!
なぜなら食後は、口腔内の細菌が食べ物や飲み物と一緒に洗い流されることにより、むしろその数は低減しています。また、食べ物を咀嚼することによって分泌量がアップした唾液による、口腔内の清浄化の効果も高まっている時なのです。
つまり、口臭の元となるイヤな臭いを発生させる細菌が活性化していないため、もともと強い口臭がある人であっても、食後すぐのタイミングはむしろその口臭が消えるのです。
そうであるにもかかわらず、食後すぐに過度な歯磨きをしたり、マウスウォッシュなどでうがいをしてしまうと、口腔内を清浄に保とうとする作用を持つ食後の「唾液」を失ってしまうことになり、むしろ逆効果!なぜなら、その効果的な唾液を失ったことで口腔内が乾燥して酸性化することにより、むしろ口臭を発生させやすい環境になってしまうからです。
では、食後の口腔内のケアは、どのようにすれば良いのでしょうか?
実際、食後の口腔内に食べ物のカスなどが残留してしまいがちなのは事実です。また通常、唾液の効果によって口腔内は中性に保たれ、微生物の発生も抑制されますが、これらの働きが弱い人の場合は、食後しばらくすると口臭が発生したり、虫歯や歯周病の原因になってしまうのも確かです。
こういった口臭を防いだり、虫歯や歯周病になるのを予防するためには、シュガーレスガムを噛んだり、積極的に水分補給をするなどして口腔内を浄化すると同時に唾液の分泌を促進し、口腔内を中性に保つように心がけると良いでしょう。
歯磨きのタイミングとしては、口腔内が乾燥しやすくなる食事と食事のあいだの時間である食間にするのがオススメとされています。
口臭の改善・消臭のカギは唾液と水分補給
例えば、口腔内が乾燥するドライマウスに罹患している人の場合、口臭が発生しやすくなりますが、その理由は唾液の分泌量が低下しているため。
なぜなら、唾液の分泌量が低下して口腔内が乾燥すると、口腔内に生息するさまざまな細菌群が食べカスなどをエサに一挙に増殖し、その際に口臭の元となる卵が腐ったような悪臭を発生させるからなのです。
また、ストレスなどの精神的な要因がもとで、唾液の分泌量が一時的に抑制されたり、鼻炎やその他の要因がもとで口呼吸をすることにより口腔内が乾燥し、唾液が減少する場合にも同様のことが言えます。
つまり逆に言えば、口腔内に充分な量の唾液が分泌されるように心がけることにより、口臭は発生しにくくなるのです。
水分補給で口腔内の乾燥防止・唾液の分泌促進を
実は、口腔内の乾燥を防ぐと同時に、唾液の分泌量をアップできる簡単な方法があります。それは、まめに「水分補給」を行うこと。
一日の水分摂取量の目安は1〜2リットルと言われています。食事の際や喉が渇いた時の水分補給はもちろん、それ以外の時でも意識的に水分を身体に取り入れるように心がけましょう。
特に朝、起床後にコップ一杯程度(200~300cc)の水分補給をするのがオススメです。この水分補給により唾液の分泌が促されるため、快適な一日をスタートするためにも、朝食は必ず食べるようにするとよいでしょう。
なお、唾液の分泌量をアップするための水分補給時に適した飲み物としては、水がオススメ。その他なら、無糖・無炭酸のスポーツドリンクなどが良いでしょう。
お茶やウーロン茶などには唾液の分泌を抑える成分が含まれている場合があったり、コーヒーは口腔内が酸性に傾くほか、その成分が舌苔に付着することでかえって口臭の原因になるなどのデメリットとなる場合があります。
特に、空腹時に飲むお茶やコーヒーは口臭を強くしてしまう働きがあるため、要注意です。
エクササイズで唾液の分泌量をアップする
水分補給をすることにより外から水分を補充することのほか、自らエクササイズを行うことで、唾液の分泌量をアップすることが可能です。
本来、唾液の分泌は自律神経の働きによって行われているため、私たち自身の意志ではコントロールできないものですが、以下で紹介するのはどれも簡単なものばかり。
ちょっとしたスキマ時間にいずれかのエクササイズを行うことで唾液の分泌量をアップして、口臭の改善・消臭・防止に役立てましょう。
口臭を改善する正しい歯磨きや舌磨きの方法は?
まずは虫歯や歯周病のチェックから
口腔内に虫歯があると、虫歯の穴にたまった食べカスが細菌によって分解される際にイヤな臭いを発生させるため、それが口臭のもとになります。
また、虫歯は痛みなどの自覚症状がなくても気づかぬうちに進行していることもあれば、以前、治療した際の詰め物が合っていなかったりすると、その周囲に食べカスやヨゴレが蓄積することで歯周病のきっかけとなったりもします。
歯周病に罹患すると、口臭の原因を引き起こす細菌群が増殖してしまいます。
口臭が気になる方は、虫歯や歯周病に罹患していないか、歯科医での受診・相談を行いましょう。
舌磨きをするなら、きちんと正しい方法で!
口腔内で古くなって剥がれ落ちた粘膜や食べカスなどのかたまりである舌苔は、その成分であるタンパク質が分解する際に放つ悪臭が口臭を発生させる原因となります。
だからといって、この舌苔をむやみやたらと取り除こうとするのはやめましょう。舌の保湿に必要な舌乳頭(舌の表面にある白い毛のように見える部分)を傷つけることにより、かえって乾燥や口臭の悪化を招いてしまう場合があります。
そもそも舌苔は適量でさえあれば、舌の健康を維持する上で必要不可欠なものなのです。
どうしても舌苔が気になるという方は、上あごに舌を押し当てて舌を傷つけないように軽く擦るように動かすことで、過剰な分の舌苔だけを取り除きましょう。口の中にイヤな味がしなくなるまでの数回を目安としましょう。
口臭を感じやすくなるのはどんなとき?
普段、自分の口臭が気になる方の中に、やけにその口臭が強く感じられる時とそうでもない時の差を感じている方はいませんか?それもそのはず。実際、口臭には強くなる時とそうでもない時があるのです。
先にも述べたとおり、唾液の分泌量によって口臭の強さは大きく左右されます。ですから、起床時などで口腔内が乾燥している時などは特に、誰でも自分の口臭を感じやすくなるわけです。
また、仕事で大切なお客様に会う時や、大好きでたまらない彼女や彼氏とのデートの時などに限って自分の口臭が気になる、ということはありませんか?この場合は、緊張などのストレスによって唾液の分泌量が減少してしまうため、口臭が強くなっていることが考えられます。
この他、月経の時や妊娠をした際などに、ホルモンバランスの作用が原因で口臭が強くなることもあります。
ただし、このような口臭は一過性のものであるため、ガムやアメを食べることによって唾液の分泌を促したり、歯磨きやマウスウォッシュ、口臭消臭グッズを使用することが効果的です。
最後に
口臭は人の第一印象の一部であり、最初に良い印象を与えられるかどうかで、その後の人間関係を左右してしまうほど大切なものです。ですから、身だしなみと同様、自分の口臭に気を配るのは実に素晴らしいことですよね。
ただし、実際、自分の口臭に気遣って歯科の口臭外来などを受診する方々の約半数は、他人が気づかない程度の、気にする必要のない程度の口臭なのだそう。
しかも、近頃では自分自身の口臭に過敏すぎて、本来はない口臭をあると思い込んでしまう方々が増えているようです。
その背景にはさまざまな理由があるようですが、例えば子どもの頃に母親から一度だけ「口が臭い」と注意されたことがある種のトラウマになっていたり、職場で話し相手が何の気なしに鼻にやった手を見て、自分の口臭のせいだと思い込むほど神経過敏になっていたり……。
いずれにせよ、本来は臭わない自分の口臭を気にしすぎて、豊かな人間関係を築けないのはとても残念なことですよね?
しかし、口臭外来などでの結果でもわかるとおり、実際、口臭は自分で気にするほど、他人は感じていないものです。
また、きちんとオーラルケアをしてさえいれば、たいていの口臭は改善・消臭・予防できるものでもあるのです。まずはその点を理解したうえで、日々の口臭ケアをしていただくと良いと思います。
そのうえで3~6ヵ月に一度、歯科医を受診し、必要であれば歯石の除去を行うなどすれば、より効果的な口腔ケアかつ口臭ケアとなるでしょう。
ただし、それでも口臭が改善しない、という場合には、内臓疾患などが疑われますので、専門医の受診をオススメします。