口臭を改善・消すためには、「膿栓を正しく理解して、口臭を消す」のページでも述べたとおり、口臭の原因の一つとなっている膿栓に関する正しい知識を持つことが大切です。
では、自分の口臭の原因が膿栓であった場合、その膿栓を予防・改善するにはどうすれば良いのでしょうか?
膿栓を予防・改善するには口腔内へのウィルスや細菌の侵入を減らすと同時に、充分な唾液の分泌によって口腔内を清潔に保つことが重要です。
ここでは、その具体的な対策について見ていきましょう。
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膿栓を予防・改善して口臭を改善・消す方法
1. 口呼吸ではなく、「鼻呼吸」を心がける
口呼吸の場合、口腔内が乾燥して充分な量の唾液の分泌が得られず、口腔内に入り込んだウィスルや細菌を洗い流すことができないために膿栓が発生しやすくなってしまいます。ですから、それを防ぐためには口呼吸を鼻呼吸に変え、口腔内を乾燥させないようにすることが非常に重要なことなのです。
そもそも口呼吸は、「口輪筋(こうりんきん)」と呼ばれる口の周りを取り囲む筋肉が衰えているために起こるものと考えられています。つまり、口輪筋を鍛えて口唇の閉鎖力をアップすることにより、鼻呼吸へと導くことができるのです。
一方で、副鼻腔炎などによる「鼻づまり」が原因で口呼吸になっている場合には、その原因を解消することが何より大切。心当たりがある方は、耳鼻科などの専門医を受診してみましょう。
また、慢性的な鼻詰まりなどによって口呼吸になってしまう場合は、マスクを着用することによって喉(口腔内)に直接、ウィルスや細菌が侵入することを避けられます。しかも、マスクを通すことによって呼吸する空気が加湿されて喉がうるおうため、膿栓の発生防止に効果的と言えるのです。
2. 小まめに水分を補給する
「水を飲む」ことには口腔内の乾燥を防ぐと同時に、口腔内のウィスルや細菌を唾液によって洗い流すのと同じ効果があります。また、「水を口に含む」こと自体が唾液腺を刺激することになり、唾液の分泌を促します。唾液の分泌量が増えれば、自然と口腔内のウィスルや細菌を胃に洗い流すことによって減少させ、膿栓の発生を防ぐことができるのです。
3. 「うがいをする」ことを習慣づける
膿栓を除去するには、以下のポイントに気をつけて「うがいをする」のがコツです。
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また、うがいをする際には水(ぬるま湯)のほか、「緑茶」を用いる方法もオススメ。緑茶に含まれる「カテキン」が、口腔内の細菌の増殖を抑制してくれます。さらに、薬用のうがい薬を使えば、口内の衛生環境を保つという意味においてもより高い効果が期待できるでしょう。
4. 「鼻うがい」をする
そもそも鼻うがいには「鼻を洗浄する」という効果があります。結果として鼻の通りも良くなるため、鼻呼吸がしやすくなるのです。
また、副鼻腔炎(ふくびくうえん)=ちくのう症や後鼻漏(こうびろう)etc.などが原因で日常的に鼻がつまり気味の方にとっては、鼻水を除去することにって鼻の粘膜が持つ本来の機能を回復させる手助けにもなります。
特に、副鼻腔炎の場合は鼻の粘膜が細菌に感染した状態になっているので、鼻水を洗い流すことによってその根本原因を取り除くことができる鼻うがいには、非常に重要な効果があると言えるのです。また、鼻水を除去すれば粘膜の炎症も治まるため、鼻づまりも改善されて気分的にもすっきりとリフレッシュすることができるでしょう。
何より、鼻呼吸は口呼吸に比べて膿栓ができにくいので、ぜひ実践したいところですね。
また、「鼻うがい」をする場合は真水を使うと鼻がツーンと痛むので、専用の洗浄液や生理食塩水を用いることをオススメします。
<鼻うがいの方法>
(洗面器を使用して行う方法)
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(「専用洗浄液の容器」や「細いノズルがついた容器」を用いて行う場合)
専用洗浄液の説明書きに従って行うほか、「細いノズルがついた容器」を用いて専用洗浄液や生理食塩水を鼻に注入して行う方法があります。この際、生理食塩水をご自身で作る場合には、ぬるま湯200ccに対し、食塩1.8g(ティースプーン1杯ほど)を入れてよく混ぜてください。
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5. 手術をして扁桃腺(口蓋扁桃)を切除する
そもそも扁桃腺は、ゴミやウィルス・細菌などを取除することによって病気による感染から私たちの身を守るリンパ管の一部です。ちなみに、扁桃腺にはその位置する場所によって名づけられた「舌扁桃(ぜつへんとう)」「口蓋扁桃(こうがいへんとう)」「咽頭扁桃」「耳管扁桃(じかんへんとう)」の4種類がありますが、この中で膿栓が発生するのは主に、喉の左右奥に見えるフワフワとした形の口蓋扁桃です。
このため、長年、膿栓に悩まされているなどの重傷なケースの場合には、膿栓の発生を防ぐために手術によって口蓋扁桃を摘出する方法があります。実際、この手術によって膿栓の悩みが消える可能性があるのも事実。しかし、まれに舌扁桃をはじめとする別の扁桃に膿栓ができることもあり、結局、手術をしても完治できなかったという事例もあるのです。
そもそも口蓋扁桃の全摘出手術は、全身麻酔や10日間以上に及ぶ入院のほか術後の強い痛みなど、身体に負担がかかるものであると言われています。ですから、手術を受ける場合は、耳鼻咽喉科や口腔外科など、専門医からのしっかりとした説明を受けたうえでの判断(インフォームド・コンセント)が得策でしょう。
6. 正しく丁寧な「歯磨き」を行う
そもそも膿栓は、口腔内のウィスルや細菌を退治するために戦った白血球の死骸に、口の中に残留していた食べカスなどが混じって固まった、いわば「膿(うみ)」のようなモノです。ですから、膿栓を防ぐための大前提として、「正しい歯磨き」を行うことで、口腔内に残る食べカスなどをしっかりと除去することが大切なのです。
なお、口臭予防のための「正しく丁寧な歯磨き方法」については、こちらで詳しく解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。
膿栓を取り除くにはどうすれば良いのでしょうか?
耳鼻咽喉科や口腔外科など、専門医への相談がオススメです
膿栓を取り除く場合は、耳鼻咽喉科や口腔外科などの専門医を受診し、除去・洗浄してもらいましょう。ただし、膿栓の発生原因を突き止めて対処しない限り、根本的な解決にはなりません。膿栓を再発生させないためにも、専門医を受診する際には膿栓の発生原因を診断してもらうことが大切です。
場合によって、風邪などが原因で起こる扁桃炎(へんとうえん)のほか、副鼻腔炎(ちくのう症)などの鼻の病気が原因になっている可能性も考えられます。まずは発生原因をしっかりと突き止め、そのうえで、それぞれの原因に応じた対策を講じることによって根本的な解決を図りましょう。
自己判断での膿栓除去はオススメできません
扁桃腺は目で見える場所にあるから、「膿栓も鏡を見ながら自分で手軽に除去すれば大丈夫」。こんな危険な勘違いをしている方が、大勢いらっしゃるかと思います。実際、綿棒などを使って膿栓を除去する方法を紹介している幾つかのサイトも見受けられます。
しかし、このサイトではどのような方法であれ、自己流の方法で膿栓を取り除くことはオススメしていません。誤って喉や扁桃腺を傷つけてしまう危険性があるだけでなく、結局、膿栓の根本的な解決にならないためです。なぜなら仮に、表面的には綺麗に除去されたように見える膿栓でも、その原因を追求して対処しない限り、再度発生する可能性があるからです。
本当の意味での膿栓除去・再発生防止のためにも、ぜひ耳鼻咽喉科や口腔外科などの専門医に相談・除去してもらうことをオススメします。
※上記のとおり、膿栓を予防・改善して口臭を改善・消すためにはさまざまな方法があります。ご自身の膿栓の原因や程度に応じて、それぞれの対策を講じていただくことをオススメします。
以下のような、膿栓が原因で発生する口臭改善・消臭のための洗口液を試してみるのも一つの方法と言えますね。
ただし、膿栓の除去や扁桃腺の切除に関しては、先にも述べたとおり専門医からのしっかりとした説明を受けたうえでの判断(インフォームド・コンセント)が得策と思われます。