口臭を改善、予防するデンタルフロスの使い方

口臭を改善、予防するためにも、歯磨きとはまた別に、デンタルフロスの使用がオススメです。 なぜならそれは、歯ブラシによる歯磨きだけよりも、歯垢をよく落とすことができるから。

口臭って自分ではなかなか気づきにくいものですが、実は私たちの髪型や服装などの身だしなみと一緒で、相手に与える第一印象そのものだと思いませんか...

そして、この歯垢除去こそが、

①口臭予防・改善に効果的である。

②虫歯や歯周病などを早期発見できる。

③虫歯予防につながる。

④補綴物(ほてつぶつ)=「歯の詰め物や、被せ物」の状態がチェックできる。

という、口腔内における非常に大きな4つのメリットをもたらしてくれるのです。

では、①~④までのそれぞれのメリットを詳しく見てみましょう。

①口臭予防・改善に効果的である

そもそも口臭が起こる原因の一つとして、口腔内に残った食べカスや歯についた歯垢などのヨゴレが挙げられます。試しに、使用後のデンタルフロスの臭いを嗅いでみましょう。「イヤな臭い」がする場合は、口臭が発生している可能性があります。

ぜひ、デンタルフロスを用いた口腔内のケアを毎日の日課にして日々発生する歯垢をキチンと取り除くことにより、確実な「口臭予防」や「口臭改善」につなげましょう。

②虫歯や歯周病などを早期発見できる

デンタルフロスを使用することにより、歯ブラシの使用のみでは難しい

・歯と歯の間(スキ間)にザラザラとした感触を感じる。

・歯の表面にある凹凸にデンタルフロスが引っかかる。

・歯と歯が密着している部分以外の同じ箇所で、毎回デンタルフロスが引っかかる。

・デンタルフロスの使用中、糸が引っかかって切れやすい。

などの状況に気付きやすくなります。そして、上記の項目に当てはまるものがある場合は、初期段階の虫歯や歯周病などである可能性が高くなります。その場合は、ぜひ早い段階で、歯科医での検診を受けることをオススメします。

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③虫歯予防につながる

毎日のデンタルケアとして、歯ブラシを使って歯を磨くことは基本中の基本。とはいえ、「より効果的な虫歯予防」という観点からすると、数多くの歯科医師が歯ブラシによる歯磨きにプラスアルファしてデンタルフロスを併用することを推奨しているのも事実です。
実際、デンタルフロスなら歯ブラシでは届かない歯と歯のスキ間にも届きやすいため、通常の歯ブラシによる歯磨きでの歯垢除去率が約6割であるのに対し、デンタルフロスの使用を加えることで、歯垢除去率を約8割にアップできるという報告もされています。

④補綴物(ほてつぶつ)=「歯の詰め物や、被せ物」の状態がチェックできる

日々、デンタルフロスを使用している際に、「必ず同じ箇所でフロスが引っかかる」「フロスが切れてしまう箇所がある」といったことがある場合は、その箇所に「虫歯ができている」もしくは「補綴物(ほてつぶつ)=歯の詰め物や、被せ物になにかしらの不具合がある」可能性が考えられます。また、フロスを使用することによって「歯茎から出血する」場合には、歯周病に罹患している懸念があります。
このような時にも、やはりできるだけ早い段階で歯科医での検診を受けることをオススメします。

デンタルフロスには、主に2つの種類があります

①初心者の方にオススメの「ホルダータイプ」

「Y字型(左)」/「F字型(右)」

「ホルダー」部分にデンタルフロスの糸が固定されているものです。指先で持ってそのまま使えるので、デンタルフロス初心者の方にもオススメです。

「Y字型」は前歯およびフロスを挿入しづらい奥歯のいずれにも使いやすいものとされている一方、「F字型」は主に前歯に適しています。

②経済的な「ロールタイプ」

フロスのみがロール状に巻かれているタイプのものです。フロスを必要な長さだけ切って、指先に巻きつけて使います。初心者の方にとっては扱い方が難しいと感じられるかもしれませんが、一旦慣れてしまえば大丈夫。お値段的にも「ホルダータイプ」に比べて経済的なので、お好みにもよりますが、初めのうちは「ホルダータイプ」を使用しながら、徐々に「ロールタイプ」に移行していくのが良いかもしれません。

また、この「ロールタイプ」にはワックスによって繊維がコーティングされた「ワックスタイプ」と繊維がコーティングされていない「ノンワックスタイプ」の2種類があります。

「ワックスタイプ」のメリットは歯間にフロスが挿入しやすく、フロスが切れてしまったりバラけたりしにくいこと。ですから、扱いやすさという点ではフロス初心者の方や、口腔内に補綴物(ほてつぶつ)=「歯の詰め物や、被せ物」の多い方にオススメです。

「ノンワックスタイプ」のメリットは、コーティングされていないフロスの繊維が歯間や歯の表面にフィットすることにより、ヨゴレや歯垢除去の効果が高いこと。ただし、特に歯の側面にまで及ぶ補綴物(ほてつぶつ)=歯の被せ物などなどにフロスが引っかかりやすく、その場合にはフロスが切れたりバラけたりしてしまうことが多いため、口腔内にそういった補綴物(ほてつぶつ)などがない方にオススメと言えます。

【デンタルフロスの使い方】

「ホルダータイプ(Y時型)」の場合

ホルダーのフロス部分を左右に動かしながら静かに歯間に挿入し、ホルダーをゆっくりと上下に動かすことで隣り合う2本の歯の両面のヨゴレや歯垢を除去しましょう。ホルダーを取り出す際も、一気に上に引き上げるのではなく、ゆっくりと左右に動かしながら行いましょう。

「ロールタイプ」の場合

①1回分の使用量として40cmほどの長さにフロスを切ります。それを左右の中指それぞれに2~3回クルクルと巻きつけます。この時の目安として、左右の中指に巻きつけたフロスの長さの間隔は10~15cmほどと考えてください。

②①のフロスを左右の親指と人差し指でつまむように持って固定し、歯間にフロスを当てたら左右にゆっくりと動かしながら歯肉の付け根まで入れ、さらに静かに上下に動かしながら隣り合う2本の歯の両面のヨゴレや歯垢を除去しましょう。フロスを取り出す際も、ゆっくりと左右に動かしながら慎重に。なお、ヨゴレや歯垢の除去は、歯茎を傷つけないよう、鏡を見てキチンと確認しながら行うようにしましょう。

《「デンタルフロス」と「歯間ブラシ」はどう違うの?》

一般的に、デンタルフロスも歯間ブラシも「歯と歯の間のヨゴレや歯垢を除去するもので、特に大差はない」というイメージを持っている方が多いかと思います。

でも実は、この2つには以下の通りの明確な違いがあるのです。

●デンタルフロス

「歯と歯の間」つまり「より狭いスキ間」のヨゴレを除去するのに便利なデンタルケアツール。若い方など、歯と歯のスキ間が狭い方の場合は特にオススメ。

●歯間ブラシ

「歯と歯茎(歯肉)の間」のヨゴレを除去するのに便利なデンタルケアツール。歯と歯のスキ間が広めの方は、ご自身の歯間のサイズに合わせて選べるこちらがオススメです。

デンタルフロスを使う頻度とタイミングは?

1日1回。「就寝前の歯磨き後」がオススメです。

①歯磨きによって「歯ブラシ」で取れるヨゴレを除去する。

②「歯ブラシ」で取りきれなかったヨゴレをデンタルフロスで除去する。

という順番で、口腔ケアを行いましょう。その方が効率的・効率的にヨゴレの除去が可能です。

唾液の分泌量が減少する睡眠中は、口腔内の細菌が増殖するにはうってつけの環境です。ですから、就寝前に細菌の宝庫である歯垢を可能な限り取り除いておくことが重要なのです。また、歯垢は取り残してしまうと、わずか2~3日で石灰化し始めてしまいます。このため、最低でも1日1回はフロスを使用しての口腔ケアを心がけましょう。

デンタルフロスを使用して出血がある場合は?

デンタルフロスによる口腔内ケアを定期的に行っている方の場合には、おそらく歯石がつきにくくなっているはずです。

一方で、デンタルフロスの使用歴や経験が浅い方の場合には、長年にわたって歯周ポケット(歯と歯茎の溝)の深いところに歯石が固着していることがあります。

そうした場合、デンタルフロスによってその歯石を刺激したり、(一部)除去したりして、出血することがあるのです。ただし、歯石を完全に除去すれば出血は改善されるので、出血が続く場合には歯科医での診断を受けたり、歯石除去を行うことをオススメします。

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