気になる口臭を消したい。そう思っても、自分の口臭は自分ではではなかなか感知しずらいものです。それはニオイを感じるための「臭覚」が視覚や聴覚とは違い、「順応反応」を起こしやすいため。「臭覚」の順応反応とは、たとえそれが不快なニオイだとしても、同じニオイを嗅ぎ続けることによってそのニオイに慣れて(順応して)しまい、ニオイを感じづらくなってしまうのです。
つまり、口腔内はニオイを感じる「嗅神経(きゅうしんけい)」がある鼻腔(びくう)と喉の奥て繋がっているため、口腔内のニオイである口臭を常日頃嗅ぎ続けていることになるわけです。だから、自分の口臭が他人にとっては不快に感じるほどのものであったとしても、自分ではなかなか気づきにくかったりするのです。
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口臭セルフチェックは、状況や時間帯を変えて試すことでより正確な結果に
そもそも自分には本当に口臭があるのか、ないのか? 自分の口は本当に臭うのか、臭わないのか?
以下にご紹介する「自分の口臭をセルフチェックする 7つの方法」は、いずれも手軽にできるものばかり。特別な装置や器具を用意する必要は一切ありませんので、気軽にチェックしてみてはいかがでしょうか?
ただし、朝起きたばかりの時に感じる「起床時口臭」、空腹時に起こる「飢餓口臭」、緊張した時に発生する「緊張時口臭」などは『生理的口臭』と呼ばれ、人の体が本能的・生理的に起こす口臭です。これらの口臭は積極的な水分補給によって唾液の分泌量が増加したり、時間の経過や緊張・ストレスの軽減などによって自然に消えるものであり、過剰に気にする必要のあるものではありません。
ですから、より正確に自分の口臭をチェックしたい場合には、時間帯を変えて、何度か試してみるのが得策と言えるでしょう。
口臭セルフチェック 7つの方法!
1. マスクをつけて、口から吐いた息を鼻から吸ってみる。
この時、自分の口臭が「キツイ」と感じる場合は、口腔内の食べカスや細胞の死骸が溜まることによって舌の上にできた「舌苔」や歯周病、その他の病気が口臭の原因になっている可能性が考えられます。
2. コップの中に吐いた息のニオイを嗅いでみる。
コップの中に口から息を吐き、そのコップに一端、手でフタをします。そして、一度深呼吸をして息をリフレッシュさせた後、コップの中の息のニオイを嗅いでチェックします。その時、少しでもニオイを感じたら、口臭が発生している可能性があります。また、コップの代用品としてビニール袋を使用することもできますが、その場合はビニール袋自体にニオイがないものを選ぶように注意しましょう。
3. 自分の舌を鏡に映して、状態をチェックする。
そもそも健康な人の舌の色はきれいなピンク色をしています。しかし、先述した「舌苔(ぜったい)」が、舌の上についている方の場合は、口臭がある可能性が高くなります。
4. 自分の舌のニオイを嗅いでみる。
舌の上に舌苔がついていた場合は、さらに舌のニオイもチェックしてみましょう。この場合、コットンパフなどを用いて舌苔を拭き取り、そのニオイを嗅いでみると良いでしょう。ニオイが「キツイ」と感じた場合は、舌苔が原因となって口臭が発生している可能性が濃厚です。
5. 使用後の歯間ブラシ(デンタルフロス)のニオイを嗅いでみる。
歯間ブラシ(デンタルフロス)を歯と歯の間に通し、その隙間にある歯垢をこそげ取るように何度が動かしましょう。その後、その歯間ブラシ(デンラクフロス)のニオイを嗅いで不快な臭いがする場合は、歯垢や歯垢が石灰化した歯石が原因で口臭が発生している可能性があります。
6. 唾液のニオイを嗅いでみる。
コットンパフやティッシュなどに唾液を含ませ、そのニオイを嗅いでみましょう。その唾液が匂えば、口臭が発生している可能性があります。なお、使用するコットンパフやテッシュは無臭のものを選びましょう。
7. 手首を舐め、舐めた部分のニオイを嗅いでみる。
自分の手首を舐めた後、30秒~1分ほど放置して乾くのを待ちます。その後、手首のニオイを嗅いで、口臭が発生している可能性があるかどうかを確認しましょう。これは一見、奇妙に思えるチェック方法ですが、ドイツの大学病院に所属する某教授によって考案された手法で、唾液を一度乾燥させて水分を飛ばすことにより、ニオイの元となる成分だけが残るため、むしろ確実にニオイを感知できる手法であると言われています。
【口臭を感知したら? 今日からできる3つのセルフケア!】
上記の「口臭セルフチェック」を試してみて、いづれかの結果でも口臭が気になった方は、早速、今日から実践できる「口臭セルフケア」をスタートしましょう。そもそも口臭が発生する主な原因は、歯周病や舌苔などを始め、その80パーセント以上が口腔内にあると言われています。ですから、まずは口腔内を常に清潔に保つことが、非常に重要な「口臭対策」になるのです。
セルフケア1 日々の歯磨きを正しく、丁寧に行う
口臭の原因となる細菌を発生させないためには、食べカスや歯垢などを口腔内からできる限り除去することが大切です。日々の歯磨きを怠らずに実践してはいても、それを正しく丁寧にできている方は意外と少ないのも事実。
例えば、歯や歯茎への歯ブラシの当て方一つで、食べカスや歯垢の落ち方が格段に違ってしまいます。また、歯間ブラシ(デンタルフロス)を使用することも大切ですが、これらの歯間清掃用具も使い方ひとつでその効果には大きな差が出てしまいます。
正しい歯磨きと歯間清掃用具の使用で、効率よく口腔内の食べカスや歯垢などを除去し、口臭の発生を防ぎましょう。
<効率的な「歯磨き」や「歯間清掃用具の使い方」>
>>ぜひ覚えたい! 正しい歯磨きの方法
>>教えて! デンタルフロスの使い方
>>知ってる? 上手な歯間ブラシの使い方
セルフケア2 マウスウォッシュなどを上手に利用して口腔内を除菌する
マウスウォッシュやデンタルリンスなどは口腔内を爽やかに保つだけでなく、除菌することによって口臭をマスキングする効果があります。会議やデートなどを始め、人と接近して話す際のエチケットとして、便利な口臭ケア用品と言えるでしょう。
また、就寝中は唾液の分泌量が減少することにより、口腔内での自浄作用も減少してしまいます。そこで、口腔内の細菌の増殖を防ぐためにも、就寝前に「殺菌剤」が配合されたマウスウォッシュやデンタルリンスを使用することをオススメします。
<「マウスウォッシュ」や「デンタルリンス」の上手な選び方・使い方>
>>覚えておきたい! 「マウスウォッシュ・デンタルリンス」の上手な選び方・使い方
>>知ってる? 「マウスウォッシュ・デンタルリンス」の基礎知識
(セルフケア3 舌苔を除去して舌を清潔に保つ)
「舌苔」が舌に付着している場合は、それを除去してあげることが大切です。歯ブラシを横向きに持ち、舌の奥から手前に向かって軽い力で動かしながら、舌苔を除去しましょう。
もちろん、専用の道具を使っての清掃も可能です。ただし、やりすぎや力の入れすぎは禁物。舌を傷つけてしまい、そこにニオイの元となる雑菌が繁殖することで、逆に口臭の原因となってしまう危険性があるからです。1日1回、ごく軽い力での清掃を心がけましょう。
それでも口臭が改善しない場合は?
上記の「口臭セルフケア」を試みても口臭が改善しない。もしくは、もともとの「口臭」がかなり強くて気になるという方は自己診断だけに頼らず、「口臭外来」などの専門の医療機関を受診しましょう。やはり口臭にまつわるお悩みは「口臭のプロ」に任せるのが一番!です。
ただし、「口臭」はまれに口腔内以外の病気が原因となっている場合があります。「口臭外来」での結果が「陰性」で、口腔内にこれといった口臭の原因が見当たらないにもかかわらず口臭が発生している場合は、「耳鼻咽喉科」や「内科」など、その他の専門医療機関の受診も視野に入れましょう。