口臭を消臭・予防したいなら、紅茶に注目!

日々、口臭に悩まされ、なんとかしてその口臭を消したい、改善したいとお悩みの皆さんに朗報です。実は、「ある飲み物を飲むだけで、口臭が抑制される」という実験結果が、某大手企業によって報告されています。

そうなんです!その注目の飲み物が、皆さんにもおなじみの「紅茶」なんです。

そもそも手軽にできる口臭対策の一つとして、「マメな水分補給」という方法がよく挙げられます。これは水を飲むことで口腔内が浄化され、口臭の原因となる細菌を洗い流せること。また、水を口に含むことが唾液腺への刺激となり唾液の分泌が促されるため、唾液に含まれる成分によって口腔内の細菌への殺菌作用をアップできること。さらに、水分補給を行うこと自体が、唾液のもととなる水分を身体の中に蓄えることにつながるためです。

「口臭を改善する」または「口臭を消す」ためには、実は唾液の分泌量を増やすことが何よりも大切、ということをご存知でしょうか? その理由は...

これに対し、今回ご紹介する「紅茶を飲む」という口臭対策は、紅茶が持つ成分そのものによって、口臭を抑制するというもの。そう聞くと、なんだか紅茶がとても頼もしい飲み物に思えてきますよね?

いったい紅茶に含まれるどのような成分に、口臭を抑制、予防する効果があるのでしょうか?
また、どのような方法で紅茶を飲めば、口臭を抑制するのに効果的なのでしょうか?

紅茶ポリフェノールが持つ口臭抑制・予防効果とは?


2015年8月31日、キリン(株)の「飲料技術研究所」により、紅茶に含まれる成分である「紅茶ポリフェノール」が、歯周病や口臭のもととなる口腔内細菌を抑制する効果を持つことを実証した」と発表しました。

そもそもポリフェノールとは、ほとんどの植物が持つ苦味や色素のもととなる成分のことで、そのうち紅茶が持つポリフェノールが「紅茶ポリフェノール」と呼ばれています。
(「参考資料:紅茶が口内環境を整える!~紅茶が口腔内細菌、口臭成分へ与える影響について~」はこちらから)

1 紅茶ポリフェノールが歯周病菌を抑制する効果

歯周病は口臭の発生原因の一つとして、大きな割合を占めています。

歯周病は口臭を引き起こす元となる病気の一つ。ですから口臭を消すためには、まずは歯周病をきちんと理解することが大切です。 歯周病とは、正...

キリン(株)の実験では、同じ環境下で培養した歯周病菌に紅茶および緑茶のそれぞれを添加し、その後、歯周病菌の濃度測定を行うことでそれぞれの活性阻害作用を計測しました。

ただし、実験では通常、私たちが飲む紅茶の約100倍程度の濃度(5µg/ml/タンニン値換算)のものを使用し、その結果、2種類の歯周病菌に対して一方には82.1%、もう一方には75.3%と、いずれも高い抑制効果があったという結果を得ています

なおこの際、紅茶と同じ5µg/ml(タンニン値換算)の緑茶での抑制効果は、それぞれの歯周病菌に対して一方には33.4%、またもう一方には60.5%という結果となっており、いずれの歯周病菌に対しても、「緑茶よりも紅茶の方が強い阻害効果を持つと考えられる」結果となったのです。

そもそも実験に使用した紅茶は、通常、私たちが飲む紅茶の約100倍程度の濃度だったにもかかわらず、上記のような高結果を得ています。これは紅茶ポリフェノールの成分が持つ歯周病菌への抑制効果が、かなり高いものであることを示唆する結果と言えるのではないでしょうか。

2 紅茶ポリフェノールが「内来性の口臭」を抑制する効果


内来性の口臭とは、自分自身の身体(口腔内)に起因する口臭のことを指します。つまり、歯周病を含をはじめ、歯磨きの不良による口腔内の不衛生や舌苔などを原因とする口臭がこれに当たります。

そもそもこの内来性の口臭に対する紅茶成分の効果に関しては、以前にも以下のような研究報告がされていました。

チ ュ ー イ ン ガ ム の 口 臭 抑 制 効 果Gas Chromatographに よ る判 定 (第3報) ―茶 抽 出物 配 合 チ ューイ ンガム の評価―より抜粋

今回緑茶ばかりでなく, 紅茶抽出物も口臭抑制に有効であることが明かとなった。これら素材の口臭抑制機序について明確に示されているものは少ないが,おそらくこれらの素材の口臭抑制作用はCH3SHやH2S等のV.S.C.に 対する反応と口腔内含硫蛋白質との結合,口腔内細菌に対する抗菌や酵素阻害効果によるものであると思われる。

(注)硫化物化水素 (H2S),メチルメルカプタン (CH3SH),揮発性硫化物 (V.S.C.)

東京歯科大学学会 第253回総会 (1994年11月5, 6日) において発表
(最終閲覧日:2019.06.24)

これに対し、キリン(株)の実験では、歯磨き後、牛乳を飲むことにより被験者の口腔内に食べカスが残存する環境を再現。以降、2時間経過する間に紅茶または湯を飲んだ際の口腔内の成分濃度の上昇率を比較しました。

結果として、牛乳飲用直後のメチルカプタン(口臭のもととなるガス)濃度を1とした場合、湯を飲んだ場合は平均2.6と増加していたのに対し、紅茶を飲んだ場合は平均0.4と減少しており、紅茶を飲むことによって、メチルメルカプタンの増加が有意に抑制されることが確認されたと報告しています。

またキリン(株)では、北海道医療大学鎌口先生との共同研究において、紅茶ポリフェノールが口臭のもととなるガス、メチルメルカプタンが発生する理由の一つである「嫌気性菌によるタンパク質の分解」をも抑制することを実証しています。

紅茶と暮らし研究所が実施した実験では、食事という想定で牛乳を飲み、その後に紅茶を飲むと、代表的な口臭原因物質であるメチルメルカプタンの発生を抑えられるという結果が得られました

また、北海道医療大学鎌口先生との共同研究では、メチルメルカプタンが発生する理由の一つ「嫌気性菌によるタンパク質の分解」を紅茶ポリフェノールが抑えるという結果も得られました。

(出典:紅茶と暮らし研究所:キリン(株)/最終閲覧日2019年6月2日)

3 紅茶ポリフェノールが「外来性の口臭」を抑制する効果

「外来性の口臭」とは、飲食したものに起因する口臭のことを指します。この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、ニンニク、ニラ、ネギ、キムチなどといったニオイの強い食べ物のほか、焼き肉、焼き魚、納豆、とんこつラーメンなど、それぞれ独特はニオイを持つ食べ物を食べた後、自分の口臭が気になったことがある方は多いことでしょう。

キリン(株)では、これらの食べ物に対する紅茶の消臭効果についても、2015年8月31日に「紅茶ポリフェノールが持つ歯周病や口臭のもととなる口腔内細菌を抑制する効果」を発表するより以前に、以下のとおり、いくつかの検証結果を発表しています。

紅茶によるトリメチルアミンの消臭効果

「トリメチルアミン」とは、干物やイカ塩辛、いわしの粕漬けのような、臭みの強い魚料理などに多く含まれている成分です。紅茶と水それぞれの入った容器に、この「魚臭み成分」を入れ、人間の口中に近い温度の37℃で10分間撹拌。揮発してきた「トリメチルアミン」を機器分析しました。その結果「トリメチルアミン」の分析量は水の場合を100%とすると、紅茶の場合は10%以下まで減少しました(なお、緑茶でも同様の分析をした結果、紅茶をやや上回る効果となりました)。

次に人間の嗅覚による臭い官能(官能試験)を行いました。機器分析と同様に、37℃で10分間撹拌した後に揮発してくる成分の臭いをかぎ、水を5点として評点をつけました。 結果は、やはり紅茶で消臭効果が確認されました。しかもこの場合は、緑茶よりも紅茶の方が消臭効果が高いという結果も出ています。これは、紅茶が持つ多様な香りにより、生臭さが感じにくくなるマスキング効果が寄与しているものと考えることができます。

岩渕 博史先生(神奈川歯科大学病院  口腔外科)
「トリメチルアミンに対するフラボノイドの消臭効果は以前からよく知られています。フラボノイドを含む紅茶でトリメチルアミンによる臭いを消臭できるのは、これまでの通説を実証したことになります。フラボノイド自体は、緑茶などにも入っているのですが、紅茶の方が官能試験で結果が良かったというのは新鮮な結果であるといえるのではないでしょうか」

魚料理に起因する臭い成分、トリメチルアミンに対する紅茶の消臭効果を確認 ~紅茶と暮らし研究所実験結果(2014.3月実施)~

(最終閲覧日:2019.06.24)

紅茶によるイソ吉草酸の消臭効果

「イソ吉草(きっそう)酸」は、納豆や豚骨ラーメンなどに含まれている成分です。この実験では、容器に水、紅茶、緑茶、ミルクティーそれぞれを入れて、「イソ吉草酸」を加え37℃で10分間撹拌しました。 ここから揮発してきた「イソ吉草酸」を機器分析した結果、水を100%としたときと比較し、水→紅茶→緑茶→ミルクティーの順で「イソ吉草酸」の揮発成分が減少しました。

次に同じ条件で、水、紅茶、緑茶で臭い官能を行いました。
ここでは、緑茶に比べて紅茶の方が、臭いの感じ方が少ないという結果となりました。機器分析とは結果が逆転しているわけですが、これは紅茶の香りによるマスキング効果が寄与していると思われます。

岩渕 博史先生(神奈川歯科大学病院  口腔外科)
「機器分析では、ミルクティーを使うとイソ吉草酸の消臭効果が高くなるというのはとても興味深い結果ですね。紅茶に含まれるフラボノイドの消臭効果が寄与していると思いますが、そこにミルクを加えることで何らかの作用がプラスされたということになります。この消臭効果は、香りによる「マスキング効果」ではなく、原因となる成分が実際に減少しているため、消臭効果がある程度持続する可能性があります。食後の飲料をうまく選択すれば、ピンポイントで口臭を抑える効果が期待できる可能性がありますね」

納豆や豚骨ラーメンに含まれる成分、イソ吉草酸が紅茶により低減されました ~紅茶と暮らし研究所実験結果(2014.3月実施)~

(最終閲覧日:2019.06.24)

紅茶によるメチルメルカプタンの消臭効果

この実験では、ニンニクの臭いの成分である「メチルメルカプタン」に対する消臭効果についての機器分析を水、緑茶、紅茶を用いて行いました。その結果、水を100%とした場合、緑茶は90%、紅茶で85%となりました。緑茶、紅茶ともに消臭効果はあるものの、その差はあまり大きくなかったことがわかります。

一方、臭い官能でも、紅茶の方が緑茶より消臭効果が高いという結果になりましたが、その差は比率でみると機器分析より大きくなりました。これは、実際の「メチルメルカプタン」の減少量の差はわずかでも、人間はその差に敏感に反応していることがわかります。特に紅茶の場合は、その香りによるマスキング効果がこの結果に関係していると考えられます。

岩渕 博史先生(神奈川歯科大学病院  口腔外科)
「ニンニクの臭い成分である「メチルメルカプタン」は、揮発性硫化物のひとつで、歯周病が原因の口臭で多く発生するといわれています。この成分を抑えることができるということは、紅茶を口に含むことで、歯周病による口臭も抑制する効果が期待できる可能性がありそうです。しかし、機器分析による消臭効果はわずかですので、今後の研究の発展を注目して見守りたいと思います」

ニンニクの臭い成分であるメチルメルカプタンが紅茶によって抑制されました ~紅茶と暮らし研究所実験結果(2014.3月実施)~

(最終閲覧日:2019.06.24)

効果的に口臭を消臭・予防する紅茶の飲み方とは

これまで紅茶ポリフェノールやフラボノイド(ポリフェノールの一種)が持つ優れた消臭効果について、いくつもご紹介してきました。では、より効果的に口臭を消臭・予防するためには、どのようなタイミングや方法で紅茶を飲めば良いでのでしょうか?

食事の最中よりも食後に飲む

先述のとおり、紅茶には歯周病などを含む内来性の口臭だけでなく、飲食したものが原因となるさまざまな外来性の口臭を抑える高い効果が期待できます。この効果をより効率的に実感するためには、食事中よりも食後や食間に紅茶を飲むのがオススメです。

なぜなら、唾液の分泌が促されている食事中はむしろ口腔内の細菌の繁殖が抑えられている状態にあり、口臭も発生しづらい状態にあります。ですから、徐々に唾液の分泌量が低下してくる食後や、仕事や家事などに集中することで口腔内が乾燥しがちな食間に飲むのがオススメと言えるのです。

ビジネスシーンにも一役買ってくれる紅茶の口臭抑制効果

営業など外回りの仕事に就いている方や、食後しばらくしても歯磨きやうがいなどの口腔ケアをする時間が取りづらい方などは特に、ペットボトルやマイボトルなどで紅茶を持ち歩いてみてはいかがでしょうか?いつでもどこでも簡単に紅茶を飲むことができるうえ、手軽に口臭対策ができてとっても便利ですよ。

また、大切なお客さまとの打ち合わせや商談の際にも、口臭消臭効果が期待できる紅茶はオススメです。コーヒーを飲むとコーヒーそのものによって発生する口臭のほか、喫煙者の場合にはコーヒーとタバコのニオイが混じりあって発生する口臭の心配も出てきます。

これに対し、紅茶には紅茶ポリフェノールが持つ口臭消臭効果が期待できるうえ、コーヒーに比べて穏やかなその香りは、お客さまや周囲の人たちにとっても不快感を呼ぶものにはなりづらく、むしろ口臭をカバーするマスキング効果となる可能性が高いはずです。ビジネスの成功にも、紅茶が一役買ってくれるかもしれませんね。

ストレートティーだけでなく、ミルクやレモンをうまく活用する

日々の生活の中で紅茶を活用して口臭を消臭・予防するには、食事との相性を考えてミルクティーを選んだり、口腔内が乾燥しがちな食間にはレモンティーを選ぶなどの工夫をしてみると良いでしょう。

紅茶はストレートティーとして飲むだけでも、紅茶ポリフェノールの効果で口臭の消臭や予防の効果が期待できます。でも、いつでもどこでもストレートティーばかりでは飽きてしまうかもしれません。そんな時は気分転換もかねてレモンティーを選べば、レモンに含まれる酸の刺激によって唾液の分泌が促され、口臭の消臭・予防に一石二鳥の効果が見込めるはずです。

また、先にも触れたとおり、ミルクティーには「イソ吉草酸」のニオイを除去する効果が高いことが示唆される実験結果もあるため、納豆や豚骨ラーメンを食べた後にはミルクティーを飲んでみるのも良いですね。

ただし、ここで注意したいのは、紅茶を飲み過ぎないようにすること。紅茶にはコーヒー同様、多くのカフェインが含まれています。カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎるとむしろ身体の水分を奪ってしまいます。それにより、唾液の分泌量も低下して口腔内が乾くドライマウスになってしまう可能性が高くなるのです。

ドライマウスを正しく理解することは、口臭を改善・消すために大切な知識の一つです。ここではドライマウスについて、詳しく見ていきましょう。 ...

ちなみにカフェインの含有量の目安は、レギュラーコーヒー100mlにつき約60mgなのに対し、紅茶では100mlにつき約30mgと言われています。ですから、例えばペットボトル500mlの紅茶を飲む場合にも、ゴクゴクと勢いよく飲むのではなく、口の中に一口ずつ含んでゆっくりと、時間をかけて味わいながら飲むのが良いでしょう。

口臭予防は日々の積み重ねが肝心です。皆さんも、おいしく紅茶を飲むことで、楽しく口臭予防に取り組みましょう。

なお、口臭を消臭・抑制してくれる飲み物を活用したいけれど、紅茶があまり得意でなかったり、紅茶に飽きてしまった時などは、ぜひ以下のページも参考にしてみてくださいね。

何とかしてこの口臭を消したい、改善したい。そう思ったら、あなたならどうしますか? 時間がある時は歯磨きをするという方法もありますが、そ...

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする